All the world's a stage

人生は舞台

演者側から感じたダンスと演劇の表現の違い

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僕はダンスを大学の頃から現在まで続けています

ダンスのイベントや自分たちのダンスカンパニーでの舞台

その他ミュージカルのバックダンサーなどを経験させていただきました

最近になって劇団主宰の舞台にダンサーとしての出演及び劇団の方への振り付けとダンスの技術指導を行う機会をいただきました

来月も別の劇団の舞台に出演することが決まり現在そのレッスンで結構平日夜と土日が埋まります

今回の舞台ではなんとセリフこそないものの武器を持って立ち回りをすることになり

演劇ど素人の自分としては日々ご指導いただきながら刺激的な毎日を過ごしています

 

その中で感じた

ダンサーとして舞台に立つことと演者として舞台に立つことの気づきについて

観る側の目線ではないのでイマイチ理解や共感の得にくいところかもしれませんがご容赦ください

 

まず共通することは

どちらもストーリーをお客さんに伝えるということ 

当たり前ですがダンスにしろ演劇にしろ作品を作る上で何かしらのテーマコンセプトがあります

それは「愛」であったり「希望」であったりと単語で表せる分かりやすいものから

「僕たちはこれをやりましたが判断はお客さんに委ねます」という投げっぱなしのものまで様々です

それはプロデューサーや立案者、原作者の判断です

演者はそれが伝わるようにストーリーの中で求められている役割を演じたり踊ったりして表現します

 

次にその伝え方について

ダンスは踊ることがメインですので振り付けが最も伝わる、むしろそれで伝えなければなりません

そしてそれに付随して衣装、メイク、フォーメーション、構成などの外部要素から

表情、時には発声の内部要素でストーリーを表現します

 

演劇はセリフがメインとなり声量や勢いなども重要な要素ですね

次に表情、身体の動き、各シーンの空気感スピード感などで表現します

 

ここまでは舞台を観たりちょっと考えれば分かることです

実際に両方の立場を経験してみて演者目線で根本的に大きく違うことを学びました

 

まずダンスから

ダンスには必ず必要なものがあります

音楽です

音楽がなければダンスは成立しません

音楽はほとんどの場合録音編集したものを音響さんが流します

僕らダンサーはそれに合わせて踊り表現をします

逆に言うと音楽が鳴ってさえいれば後は踊るだけ表現するだけなんです

スポーツで言うところの「ゾーンに入る」ということです

頭は一切使いません

 

頭で考えるとふと冷静になってしまう瞬間があり素に戻ります

観ている方からは気付かないところかもしれませんが踊っている側からしたら素に戻ってしまうんです

それは指先のニュアンスだったりアクセントだったり体幹の振れだったりが変わってきます

だからなるべく当日頭で考えないようにレッスンの段階で仕上げていきます

横を見なくてもフォーメーションの移動ができるように

ニュアンスやアクセントが必要なところ(本番は、曲のこの部分で必要、という風に考えてもいません)で出せるように

 

つまり本番は流れ(音楽)に身を任せている状態です

終わった後は頭よりも身体に疲労が訪れます

 

次に演劇

演劇に必要なものは音楽ではありません

キッカケとして必要なところはありますがそれが全てではありません

空気感です

たくさんの配役があります(一人演劇や極少数人数で行う演劇は除きます)

一人で出来上がるものではありません

自分と相手とのセリフのキャッチボールにより演劇の表現は生まれます

その空気感スピード感は本番3公演あったら3公演とも同じ

というわけではありません

バンドのライブなどで「あれ?この曲CDで聴くよりもテンポが速いな」と感じたことはありませんか?

それと同じです

本番の空気感により演じ方が異なってきます(もちろん喜怒哀楽などの方向性は変わりませんが)

ギターやベース、ボーカルもそのドラムの勢いに同調しなければ曲は成立しませんよね

 

そしてセリフにはもちろん流れがあります

「誰々がこのセリフを言ったら次に自分がこのセリフを言いながらこの場所に歩く」

殺陣などでは

「誰々が斬りかかってきたらこちらの方向によけて袈裟懸けに斬る」などです

常に誰かとのやりとりの中で表現が生まれます

しかも以前出演した舞台ではとある役者さんが「お客さんの反応を見ながら演じ方を各公演ごとに変えている」と仰っていました

 

つまりダンスとは違いゾーンに入りつつも頭の中でどこか冷静な部分を保ったまま演ずるということで頭も身体も使います

 

 

以上を肌で感じてみてダンスが専門である僕自身

もっと演劇寄りのダンスの表現方法を追求しなければならないと感じました

そして本番のお客さんの反応を見ての踊り分けと言うか

事前に練習してきたことをそのまま本番に出すだけではないフレキシブルな踊り方、表現方法をもっと磨いていかなければならないところです

 

ダンサーはテクニックに傾倒するところがあります

もっと難しいムーブ、もっと複雑な振り付けをできるようになろうとします

ただし本番は演劇も同じですがダンサーは誰か対象者に向かって踊ります

表現はその対象者とのコミュニケーションです

お客さんと上手くコミュニケーションが取れるようなフレキシブルなパフォーマンスができるよう改めて精進しなくてはならないなと感じました

 

さて2月の舞台まであと僅かしかないので表現の追求に励みます!!